2004年08月10日

スーダン、制裁警告決議可決

さて、ここしばらくの大きな動きとしては、7/30に国連安全保障理事会がスーダンへの制裁警告決議した事。
決議の内容は、スーダン政府に
(1)黒人住民への組織的襲撃を続けるアラブ系民兵の武装解除
(2)国際人道法違反や虐殺行為をした民兵指導者らの拘束と訴追
(3)国連事務総長への1カ月以内の状況報告
を要求。スーダン側が順守していないと判断した場合、経済、外交などの関係断絶を定めた国連憲章41条に基づき「さらなる行動」をとる。

・スーダンの石油利権への影響力を強めたい
・イスラム過激派の温床にしたくない
・善意
の思惑があるアメリカは、この決議を守らなかったら即効で制裁に繋がる決議にしたかったらしいが、

・現スーダン政府とぎっちり繋がって石油利権のほとんど全てを握っている
・スーダン国内のパワーバランスが変わる事を望まない
の思惑がある中国と

・「敵(インド)の敵(中国)は味方」で中国と共同歩調を取る、
・迫害している側が自分等と同じイスラム教徒
の思惑のパキスタンや

・国がどこでもアメリカの影響力がこれ以上強まるのは困る
・制裁直結の表現を外せばスーダン政府に貸しが作れる
の思惑のロシアが反対して、制裁直結の表現から緩められた。

そして採決で中国とパキスタンは棄権。全会一致でないと言うだけで国連決議は大きく格が下がるんですがね。わーい、わーい、大国のパワーゲームだー(棒読)。

で、この決議に対して、スーダン政府は当然反発して「全部、自分の所で出来るわぁっ」と国連決議への非難声明出してはみたものの、次の日には一転決議受入したりスーダン政府お手盛りで「米国の介入を許すな、ワーワー」とデモをNYでやったり、「一ヶ月じゃ実の有る事は無理だよー、前の約束通り三ヶ月くれよー」と往生際の悪い所みせたりしたが、国際的に孤立するのも嫌なので、国連と協議して最終的には8/6にこの決議から作られた行動計画を合意

要するに会議してただけと。スーダンの現場で起きたのは、以下の事だけ。

チャド:駐留仏軍がスーダン国境地帯へ
チャドには仏軍歩兵部隊約950人が駐留している。仏大統領府は30日夜、「ダルフールの人道状況の深刻さにかんがみ、国際社会の反応を待たずに、国防省は部隊展開などの措置を取った」との声明を発表した。
声明などによると、仏軍兵士は国境のチャド側をパトロールして国境地帯の安全確保に努める。また、仏軍機がダルフール住民向けの人道物資の輸送にあたる。

ダルフール紛争では約20万人のスーダン国民がチャド側に逃れている。

産経新聞によると、
仏軍は同日、同地帯の治安維持のため約二百人を展開し、難民への支援物資十二トンを空輸した。

との事。
この行動とてもちろん善意だけでは無く、国際的名声にやたらと拘るフランス人特有の気質によるのだが。本気だったら、もっと前から大掛かりに動いてるし、わざわざ国連決議が採択される前日に発表したりはせんわな。まあ「やらぬ善より、やる偽善」ではあるのだけど(苦笑)。

なお今回の記事は読者の声に応えて、まとめて書く時のスタイルを変えてみました。記事をきちんと引用した今までのスタイルとどっちが良いか、ご意見を戴ければ幸い。
posted by ナナシ=ロボ at 18:30| Comment(1) | TrackBack(0) | スーダンを見つめて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
改善ありがとー。
引用があるスタイルも読みやすいのだけど、箇条書きでまとめてあると更に読みやすいですね。引用せずともまとめられるぞっていうときはまとめてくれた方が記事読みやすい…とスペックの低い小娘は言ってみる。

今回のはまとめがあるように「会議してただけ」ということなので、読んでも大体わかりました。前回は一気にネタが投下されたので、追いかけていくのがちょっと大変だったのです。

>で、この決議に対して〜 以下
苦笑いしながら読めました。
参照リンクへ飛ぶ飛ばないは自由だと思うので、こんなもんでいいんじゃないでしょうかと。本文だけで満足するならそれでいいし、参照リンクまで見たかったら飛べばいい。
個人的に「国際的に孤立するのも嫌なので」がすごい受けた。
まぁ、そうなんだけどね、考えてみれば。
Posted by しんく at 2004年08月11日 01:23
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