いざ行ってみると、友人は翌日、大学の方に用事が出来たとの事で、その日はほとんど話せなかったのだが、砂浜にヤロー二人で座り、バカ話をしながら見た夕日は今も憶えている。日本海に沈む太陽は大きく大きく見えたものだ。いや、記憶が鮮明なのは、「この夏の戦果」を得々と語る友人に嫉妬していた嫌な記憶故かもしれない。こちとら、その年、開催されてた「つくば科学万博」に缶詰生活でオナゴ口説く暇なんか無かったんだよ。悔しい悔しい、死ね死ね。
閑話休題(汗)
友人は下宿に戻ると言うが、俺は既に民宿に荷物を下ろしていた。まあ、呑むのは明日の夜でも出来ると言う事で、そのまま俺は民宿に泊まった。その晩の事は正直、あまり記憶に残っていない。前記した様に少しでも不愉快な事があるとずっと憶えている執念深い俺が忘れているという事は、まあまあ快適だったのだろう。ただ、そう広くない道路を挟んだだけで海岸沿いに建っている宿だけあって、波の音が、はっきりとずっと聞こえていたのは憶えている。
次の日、その民宿が兼業しているカマボコ屋でお土産を買い、チェックアウトすると女将さんが駅まで送ってくれると言い出した。突然の申し出に戸惑っていると、「たくさんカマボコを買って戴きましたから。お若いのに」。要するに、土産代に金を使い過ぎたんでないのかという気を回してくれたらしかった。確かに、1万、2万もカマボコ買う若いのが、そう居るとは思えない。いや、万博に戻ってからパニオンに配りまくって、カマボコで鯛を(以下自粛)。
ともあれ、有りがたい申し出だったのでお願いすると、マイクロ・バスが回された。ふむふむ、他の客も一緒なのだなと思っていると誰も来る気配は無い。
「カマボコ買いにいらっしゃるお客様を駅まで迎えに行くんですよ」
わー、バス貸切ー。居心地、悪ぃぞ。
その後、思い出せるのは友人の下宿あたりからだ。たぶん、何事も無く駅まで送ってもらい電車に乗ったのだろう。広い車内に一人で居心地が悪かったから憶えていただけで、マイクロ・バスがどんなだったかも憶えていない。宿の名前も憶えていないくらいだ。そして、忘れていた。
今日。
2ちゃんねるで。
「ありふれたニュース」に関する、ある書き込みを見るまでは。
678 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 17:55:34 ID:???
カブールで自爆テロ、13人死亡=米国防長官訪問中に2日連続で
【カブール5日AFP=時事】アフガニスタン国防省が明らかにしたところによると、同国の首都カブールで5日、爆弾を積み込んだ自爆テロの自動車が同国軍のバスに突っ込んで爆発し、少なくとも13人が死亡し、13人が負傷した。≪写真は、4日の爆発現場を調べるアフガン兵士≫
国防省スポークスマンは、この自爆テロでアフガン兵士6人と民間人7人の計13人の死亡がすぐに確認され、少なくとも13人が負傷したと述べるとともに、さらに犠牲者が増える恐れがあると語った。
ゲーツ米国防長官は5日にアフガン訪問を終えるが、4日にも国際治安支援部隊(ISAF)を狙った自爆テロが起き、死者は出なかったものの22人が負傷している。両テロに関しては、イスラム教原理主義組織のタリバンが犯行声明を出した。〔AFP=時事〕
http://news.livedoor.com/article/detail/3417131/
679 名前:名無し三等兵[] 投稿日:2007/12/07(金) 01:47:43 ID:S/X24S26
>>678
そのバスには「かまぼこの大三庄」の文字と新潟県寺泊町の電話番号が書いてある
http://www.nytimes.com/2007/12/06/world/asia/06afghan.html?_r=1&ref=world&oref=slogin
Suicide Blast Kills 13 in Afghanistan
海水浴する為に民宿に泊まったり、カマボコをおみやげに買うのが苦行だという人は、あまり居ないだろう。きっと、カマボコ・バスは笑顔の人々を乗せて走っていたのだと思う。俺と友人が見た、あの日本海の夕日を浴びながら。
それを想像し、カマボコ・バスの最後を思うと、こみ上げる物も思う事も色々ある。
だが、アフガニスタン戦争に賛意を示した当時の日本政府を支持し、今またインド洋での給油再開を支持する俺が、それを言葉にする事は「偽善」だろうと思う。
だから、ただ「ありふれたニュース」とそれによって呼び起こされた記憶を書いておく事に留めようと思う。
俺達が、この戦争の「当事者」であるという事を、いつまでも憶えている為に。




