2020年02月25日

相双漁協がコウナゴ漁自粛へ(NHK 福島県のニュース)

原発事故のあと、福島県の漁業の復興をけん引してきた魚種、コウナゴについて、相馬双葉漁協は、群れが見つからない状況が去年から続いているため、例年3月ごろから始まることしの漁を自粛することを決めました。

これは18日、相馬市で開かれた相双地区の「試験操業検討委員会」で報告されました。
福島県沖のコウナゴ漁は、去年、歴史的な不漁となり、水揚げ量がゼロとなりました。
県が行ったことしの調査でも、コウナゴの群れは見つからなかったということです。
このため相馬双葉漁協は、例年3月から始まるコウナゴの漁について、今シーズンは資源の保護を理由に、自粛することを決めました。
福島県沖のコウナゴ漁は、震災と原発事故のあと、相双地域を中心に水揚げ量が回復し、取り引き価格も上がって、福島県の漁業の復興のけん引役となってきました。
18日の委員会では、コウナゴの群れを探す調査を進めることが検討されていることが報告されました。
相馬双葉漁協コウナゴ試験操業委員会の立谷義則委員長は、「コウナゴを取りたいという思いはあるが、将来の世代に資源を残していくためにも、漁の自粛という苦渋の決断をした。コウナゴ漁の自粛によって、魚が増えるか不安はあるが、この決断が実を結んで欲しいと思う」と話していました。

コウナゴはイカナゴの稚魚で、生で食べるほか、釜揚げやつくだ煮などとしても流通しています。
原発事故による自粛を経て、再開された福島県の漁業をけん引する主力の魚種となり、福島県沖のコウナゴの水揚げ量は2015年は400トン、2016年は700トンを超えました。
2017年は前の年より減りましたが、翌年には1076トンに増え、水揚げ量は震災後最も多くなりました。
いずれの年も90%以上が相双地区で水揚げされました。
福島県産のコウナゴはおととし、試験操業の水揚げ量全体の4分の1を占め、近年、三重県などの他の漁場で不漁が続いていたことを背景に、首都圏を中心に高値で取り引きされていました。
しかし、去年は一転、歴史的な不漁に陥り、水揚げ量はゼロになりました。
県の水産海洋研究センターは、福島県沖の海水温が例年に比べ、2度から8度ほど高かったことが不漁につながった可能性があるとしています。
今回、相馬双葉漁協は、苦渋の選択として自粛することを決めましたが、これで資源が回復するかは不透明で、福島県の漁業の復興に向けて懸念が広がっています。

posted by ナナシ=ロボ at 00:00| Comment(0) | ふぐすま(福島) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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